自分自身で手軽にできる「おウチで健康チェック」

聴診器の画像

今回のインタビュー

病院に行くほどの症状ではないが、ネットで検索しても上手くその症状に当てはまる対応が見つからない。そんな経験はないですか?お家に居ながら自分自身の健康をチェックできたり、自分の悩みを解決してくれる。今回は、そんな優れたアプリ開発者へインタビューしてきました。

御社のサービス、会社の理念について教えてください

ヘルスケアとテクノロジーの掛け算の部分で事業を行っています。具体的なサービスで言うと、オンラインでの医療相談というものをやっていまして、チャットサービスの向こう側に本物の医者がいて、病気や健康に関する相談をそのままダイレクトにできます。

その他医療特化の検索エンジンサービスや、血液検査キットとオンラインの医療相談を掛け合わせた家で出来る健康チェック(正式名称は「おウチで健康チェック」)などもやっています。

理念は「ドクタライズ・オール・ザ・ピープル」というものを旗として掲げていまして、我々生活者の医療的な知識や経験と言ったものをITの力を駆使しながら高めていくことで、結果として、日本の医療費の高騰問題を解決していきたいなと思っています。

菅原さん写真

そう思うようになったきっかけはなんでしょうか?

実は私の妻が医師をしてまして、彼女が出産・育児を迎えて現場仕事をするのが大変になったということで、どうにか働き方を見直せないかと思い、このサービスを考えました。仕事には復帰したいが、家事育児を放棄するわけにもいかない、その板挟みに苦しんでいる姿を見て、彼女の働き方を解決できないかなと、思ったというのがきっかけです。私はITの世界で事業を作るということが専門なので、自分の力で妻の働き方をサポートできないか?と考えた結果、この事業に取り組むようになりました。

「おウチで健康チェック」のサービスについて、詳しく内容を教えてください

このサービスは簡単に説明すると、血液検査キットという自宅で少量の血を採取し、それを郵送すると結果が紙面またはオンラインで返ってくる、というサービスです。そのサービスに弊社の医療相談をパッケージしたような仕組みです。こういったサービスは類似なものがいくつかあったりするのですが、我々はその中でそのデータを可視化し、病気と紐づけてその病気のリスクを分かり易く説明する、と言ったことが出来るようになっているサービスです。

血液キッド

病気のリスクの可視化と言えば、例えばどのようなものがありますか?

例えば、我々が普段目にする血液検査の結果というのは血糖値、腎臓、脂質、などの項目が書いてあり、その項目の数値がどうだったかと言う基準でそれぞれランク判定されています。ただ、その結果を見て我々が何か次のアクションできるか、というと皆その数値からどんなアクションを起こせば良いかが見えないんですよ。検査結果を受け取って満足、みたいな。しかし、その検査結果を医者が見ると大きな病気にかかる可能性がある、というものがあったりします。それを我々医療相談側で問診に近しい行為をしてリスクを洗い出し、医者が総合的に判断する内容を可視化したものが我々の提供するサービスになります。例えば乳がんになる可能性が○%で数値的に高いのか、低いのか、と言った具合の内容が分かるようになっています。

仕組み図

そのサービスはユーザのどういった悩みを解決しますか?

一つ目は病院に行って検査をする時間が無い、あるいは病院に行きづらい病気、と言った点を自分のライフスタイルに合わせて解決できる、と言うことです。医者から見て、放置をすると悪化する恐れがある、というような不安があったとしても、時間的な都合や病院に行きづらい、などの理由で検査を受けない方もいます。そういった方の課題を解決できます。

二つ目は、健康診断としてこのサービスを利用してもらうことで、病気の早期発見ができると言うことです。企業健診は正社員であればほぼすべての人が受けているのですが、パートやアルバイトの方は受けられません。フリーランスの方で10年健康診断受けていません、なんていう方も中にはいらっしゃいます。ですから健康診断をずっと受けていない方も、一時的に健康診断に近しいものが提供できるので健康診断を受けていない方にもご利用いただけたらいいなと思っています。

また、女性は25歳を過ぎたら一度は婦人科検診を受けてください、というのがうちの登録医師からのアドバイスです。本当は毎年通って欲しいのですが。

25歳を過ぎたら婦人科へ、というとどんな病気のリスクがあるのでしょうか?

全体的なお話で言うとホルモンバランスが乱れ始めてくる、というのが女性の場合20代中盤から見られます。そうすると原因不明の体調不良にみまわれる、というのが結構な頻度で起こったりもします。それは女性特有なものなので内科に行けば分かるか、というと判らない場合もあります。だからこそ女性の場合は専門家である婦人科に受診して頂きたいです。

腹痛の写真

婦人科は妊娠したときくらいじゃないと行きづらいですよね。どういった名目で行ってみたらいいんでしょうか?

そこはぜひ弊社のオンライン医療相談をご利用頂いてお問合せ下さい(笑)確かに何も異常が無いのに婦人科に行く、というのはかなりハードルが高いのですが、だからこそ弊社のサービスが存在するものと思っています。病院に行く程じゃないけど長い事行って無いな、というときに病院に行くほどの症状なのか、そうじゃないのかの切り分けを我々はすることができますので。

ターゲットは女性メイン、という事ですがその中で特にターゲットにしている層はありますか?

20〜40代の働く女性と言ったところですね。我々のサービスというのはiPhoneのアプリとWEBサービスで出しているのですが、Appstoreで「病気」「相談」で検索すると我々のアプリが出てくるので、そこからの流入は結構あります。

ですので、困っている人というのは潜在的に沢山いるのですが、困りごとへの解決策が恐らく世の中にないので、僕らのサービスに相談に来るんだと思っています。

このサービスを作るうえで苦労した点、大変だった点などありますか?

一番難しかったのはオンライン医療相談なのですが、この領域というのは「遠隔診療」という領域に近接していて、規制の間にあるんですね。相談者の個人的な情報をもとに的確に回答すると「医療行為」に該当してしまいます。そこと規制との切り分けはすごく難しい。ですから我々はオンラインの「健康相談」という立ち位置でこのサービスを運営していて、それが皆が信頼できるお医者さんが回答します、というサービス内容になっています。そういう規制との切り分け、線引きの難しさがあります。

あとは実際に運営してみて分かった事なのですが、オンラインになるとユーザーがとてもわがままになることがあるんです。ストレスに耐えられなくなったりせっかちになったり、言葉尻を取り上げて怒ったりすることもあります。これは匿名性やオンラインになった時の難しさだと思うのですが、その上でユーザーの不安や悩みに寄り添って実際にやりとりをするためのそういったノウハウを蓄積するまでがすごく大変でした。

そして今また新しいサービスを手がけている最中なので、一から作り上げる大変さを実感しているとともに、早く皆さんの元に届けられるように必死に取り組んでいるこの状況がとても楽しいです。

頭痛写真

新しいサービスとはどのようなサービスですか?

特許の申請が終わったのでお話しできるのですが、「健康予報」というサービスを来年初めにリリースします。人間の身体というのは気象の影響をとても受けます。天気・気温・気圧・湿度など。これを身体そのものはすぐに影響を受けるのですが、頭でそれを理解するのに時間がかかるため、ギャップが生まれるんです。

例えば、今日遅くまで飲んでいたら明日肌荒れますよ、と言ったようなメカニズムって知りたくないですか?男性だと今日頑張り過ぎると明日のパフォーマンス落ちるよ、みたいなところがあるので、気象の情報と個人情報、個人情報の中に医療情報も一部入っているのですが、それらを組み合わせて生活改善や生活向上のアドバイスをしていく、というサービスです。

これもアプリなので、ライトな感じでこういったものを使って頂きつつ「もしかしたらこういった状態が続いたら鬱になってしまう可能性があるから、相談してみた方がいいよ」というような声掛けが出来るかもしれないと思っています。

12月以降これをパッケージングして、法人向けのサービスとして展開していく予定でいます。我々のサービスを使ってもらうことで、自分で健康への意識が高まり、生産性が上がっていき、結果会社や社会全体もハッピー、と言ったところを目指しています。現状、もう少し開発が必要な状況ではあるので、一つひとつ仕上げている最中です。

お医者さん写真

今後の目標について教えてください

ビジョンに掲げている「ドクタライズ・オール・ザ・ピープル」というところに向けて、僕らの認知度を高めていくことと、新しいサービスを作り上げていくことを目標にしています。着実にオンラインの医療相談というもので一人ひとりに向き合っているので、満足してくださる方を一人でも増やしていきたいです。

最後にサービスの宣伝をお願いします

弊社のサービスは、オンラインで専門家に相談が出来る、というもので今はまだ全然メジャーではありません。ただ、私たちが見ている将来像でいうと普通になっていくようなサービスであると思っています。ですのでもっと気軽に、専門家に相談が出来るというような感覚を持って頂いてこのサービスをご利用いただけたらな、と思っています。

お家で健康チェックの画像

まとめ

おウチで健康チェック、これからリリースされる健康予報ともに、我々の生活により身近なものになることで私たちの健康を守ってくれること間違いなしですね。病院に行くほどの症状でもない、といった方には是非、このサービスを利用してもらいたいものですね。そして、25歳以上の女性は少しだけ勇気を出して、一度婦人科へ検診に行ってみましょう。

サイト:https://www.service.anamne.com/kenko-check

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