貿易プラットフォームサービス事業「SHC」|後編

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前編のあらすじ

前編ではSHCというサービスがどういったサービスなのか、このSHCを利用することでどのような解決ができるのか、なぜブロックチェーンを取り入れようと思ったのか、といった点をお聞きしました。後編ではこのSHCを広めていくために今どのようなことを行っているのかということや、ブロックチェーンが我々にとってもっと身近なものになるために必要なこと、今後の目標などについてお話を伺っています。

standage足立代表の写真6 貿易プラットフォームサービス事業「SHC」|前編

他の企業さんへはどのようにアプローチをしているのですか?

今アプローチしているところというと、国内で言えば総合商社さんや中堅の貿易を行っている企業さんです。特にその中でも、アフリカに中古自動車を輸出している企業が結構多いんですよ。そうした企業と話をした時に、やはり決済に困っていると仰っていました。アフリカだけでなく他の発展途上国、東南アジアも含めて、そうした実ビジネスをしている会社さんに今、話をしているような形です。

また、我々の会社は「Plug and Play Japan」というシリコンバレー発のスタートアップ支援組織のアクセラレーションプログラム Batch2で採択されているので、そこに参加されている企業さんと一緒にサービスの開発を行っています。

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今、マーケティングは行っていますか?

まだ行っていないです。これまで自分たちで開発をしてきて、今のフェーズとしてはサービスとしてほとんど完成に至っています。ようやく自分たちではスケールが出せないな、というタイミングにきたので、これから大々的にマーケティングを行いサービスを一気に広げていこうと考えています。外部資金を少し入れながら、それを資金としてマーケティングやプロモーションを行っていく予定です。

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今後やってみたいことはあります?

経済誌やビジネス系の番組のような、一般の方にも見られるようなメディアで、ブロックチェーンサービス企業として勝負をしてみたいなと考えています。仮想通貨と聞くと、皆さん詐欺だとかコインチェックのハッキングといったようなマイナスのイメージが強いので、今までICOやクリプトが敬遠されていたようなメディアで、ブロックチェーン・仮想通貨ってこんなに便利なんだ、という風に今までの概念を壊したいと思っています。

僕たちは、日本のブロックチェーン企業なのですが、多くのブロックチェーン企業は資金調達、ICOのために海外に法人を移転したり日本に海外の優秀なブロックチェーンのプロジェクトが集まらなくなりました。僕はものすごく悲しいなと感じるんですよね。Fintechという新しい産業が立ち上がっていくなかで、これでは日本の競争力が落ちてしまう、誰かが日本に根付いたプロジェクトとしてやっていかなければという想いがあります。

今後ブロックチェーンを盛り上げるためにどのような起爆剤があればいいと思いますか?

僕は時間の問題だと思っています。2017年から2018年にかけてICOでいろんなプロジェクトが立ち上がった中で、例えば資金調達がうまくいかなくて駄目になった案件がある一方で、その中にも本質的に本当に素晴らしいプロジェクトはあると思っているんですよね。それらのプロジェクトが実サービスとして立ち上がってきます。そこから産まれた本当に便利なサービスが実社会で受け入れられて広がっていくのではないかと思っています。仮想通貨の本質は”便利さ”なんです。とにかく「ビットコインで送金したら便利でした」「ナイジェリアでも一瞬で届きました、手数料も安い」「すごく使いやすかったです」というのが僕は本質だと思っています。その本質に触れた便利なサービスが世の中に出てくれば、普及せざるを得ないと思っています。

日本は特にブロックチェーン業界のプレイヤーが少ないことが一番の課題だと思うのですが、どうすれば解決できると思いますか?

一つは無知識、そしてレギュレーションが厳しすぎる点が緩和されることだと思います。ファイナンスの面でみても、ブロックチェーンや仮想通貨と言った段階で銀行は一歩引いてしまいます。融資はおろか、ブロックチェーン企業というだけで口座開設すら断られました。今は大分良くなりましたが。一般企業においては仮想通貨はなんだか怪しいし、ブロックチェーンはそもそもよくわからない、というところが非常に多いです。まずは、ブロックチェーンがもっと広まっていくことで、もっと多くの方に興味関心を持ってもらう必要があると思っていますし、何よりも仮想通貨を使う場面が増えてくることが重要です。多くの企業の方とお話した際に皆さんブロックチェーンについて色々と知ろうとしたり取り組まれたりしていますが、ビットコインを使ったことありますか?と聞くと多くの方々が”No”と答えます。インターネットのキラーコンテンツがe-mailだったように、ブロックチェーンのキラーコンテンツは仮想通貨です。まずは使って本当に便利なんだということを体験して欲しいです。

もう一つは、ブロックチェーンの本質を使ったサービスがもっと出てくることだと思います。そのサービスをブロックチェーン技術が使われていると知らずに使う人が増えてくることが大切だと思います。
僕たちのサービスでも一番重視しているのは、表面上をとにかく簡単にすることです。サービスの裏側でブロックチェーンが動いている、マルチシグが動いている、といったことは正直表に出なくてよくて、とにかく簡単にスマホで操作できるようなインターフェースにすることに重きを置いています。

今、ブロックチェーン業界やブロックチェーンプロジェクト側が、難しい技術の本質論にいき過ぎているんですよね。例えば、ブロックチェーンのスケーラビリティの問題をどんなに議論したところで、一般の人にはなんのことか分からないい、そもそもスケーラビリティが問題になるほど一般に普及もしていない。インターネットが広まっていく過程でも一度バブルを作って崩壊し、その後一般層とのリンク、つまり実サービスが立ち上がってインターネットの市場が成長してきたわけです。ブロックチェーンももう少しブロックチェーン側の人たちが降りてくる必要があるのかなとも思います。業界内の内輪だけで盛り上がっているフェーズはもう終了したのかなと思いますよ。「ブロックチェーン面白いかも」と思う一般の実務をやっている人が増えていくのがすごく重要であると思っています。

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企業規模で見たときのターゲットは中小・大企業の貿易をしている会社ですか?

中小企業ですね。特に、大手銀行の与信が通りにくく貿易の規模も小さくて、なかなか大手銀行が相手にしないような中小企業がターゲットです。

これはAmazonと似ているのですが、トレードをすることでトレードの履歴がどんどんたまっていきます。そうして実績値としてユーザーが増えていけば、初めはペイメントだけだったのがそのうちBtoBの、Amazonみたいなマーケットプレイスになるはずなんです。あとは取引の履歴がデータとして全てブロックチェーン上に残っているので、ここの会社は無名で上場もしていないけど過去100回の取引で一回も支払いが遅れていない、トラブルも起こっていないから、「ここにはこれくらいのレートでファイナンスできるね」ということが予測できるようになります。それは次世代のトレードファイナンスかなとも思っています。

1年以内の目標は何かありますか?

弊社のSHCをメインサービスとして世に送り出し、大手企業から中小企業まで幅広いパートナーの人たちにSHCを使ってもらうことですね。そこが今の大きな目標です。現在はナイジェリアだけですが、アフリカ全土に広げていくために動いています。

今僕が考えているのは、リバース・イノベーションです。新興国に先にこのサービスをバッと広げて流行らせることで、逆に先進国が使わざるを得ないという状況を作ろうと考えています。「あの国と貿易をするにはSHCというサービスがメインらしいぞ」みたいな。「アフリカに入るにはSHCをインストールしないと駄目なようだ」というところまでもっていく戦略です。

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最後にSHCの宣伝をお願いします

我々のサービスはまだ世界にないサービスだと思っています。インターネットが出てきたことでAmazon、Facebookというような企業が全ての産業の在り方を変えてしまったように、これからフィンテック、ブロックチェーンでも同じことが起きると思っています。

いずれはアフリカの国民が全てSHCで決済している、企業の貿易決済にSHCが広がっている、世界中の企業がSHCを使っている、といったことは、今後あり得る光景だと思っています。そしてまさに今が、そのタイミングだなという風に感じています。SHCを広げていくことで、日本初のブロックチェーンサービスというものを世界のフィンテックの基盤にしていけるかなと考えているので、是非期待していてください。

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まとめ

ブロックチェーンという新しい概念が生まれたことによってできることやその幅もかなり広がっていきました。そうした中で新たに生まれたサービスであるSHC。日本を基盤にしてこれから世界に広まっていくこと間違いなしのサービスです。今後、日本から世界を変えていく彼らのサービスから目が離せませんね。皆さんもまずは「ブロックチェーン」とは何だろう?と少し興味関心を持ち、ブロックチェーンに触れることから始めてみてくださいね。

 

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