このページの目次
- 1 今回のインタビュー
- 1.1 今行っている活動について教えてください
- 1.2 ロスフラワーを使った活動をするようになったきっかけはなんですか?
- 1.3 元々花が好きでロスフラワーに携わりたいと思ったのでしょうか?
- 1.4 具体的にどうやってドライフラワーを作るのですか?
- 1.5 お花をアレンジするスキルはどこかで学んだのですか?
- 1.6 どうやって仕事の案件を見つけるのですか?
- 1.7 マルシェに来られるお客様は、どんなきっかけで来ているのでしょうか?
- 1.8 ロスフラワーを広めていく上でのターゲット、届けたい人はいますか?
- 1.9 春佳さんの今後の目標はなんでしょうか?
- 1.10 最後に、今の活動について宣伝をお願いします
- 1.11 まとめ
今回のインタビュー
皆さんは花屋で売られているお花がどれくらい廃棄になるか、皆さん知っていますか?食品のロスに目を向けられているように、花のロスにも目を向けて少しでも廃棄の花を減らしたい!そんな想いから活動をしているフラワーサイクリストの河島春佳さんにインタビューしてきました。
今行っている活動について教えてください
2年前からドライフラワーを使って作品を作って販売したり、女性へ向けたワークショップをしており、現在は「ロスフラワー」を使った活動をしています。ロスフラワーとは、廃棄になる花のことを言います。その廃棄になる花というのは例えばウェディングで使ったものなどが挙げられます。ウェディングが終わったらすぐに捨てられてしまう、そういった花を引き取ってドライにし、染色して加工します。それをアクセサリーや、ディスプレイ作品に使用しています。
ミュージックステーションで乃木坂46がシンクロニシティを歌っていた時のリボンに施したお花を河島さんがご担当されました。
ロスフラワーを使った活動をするようになったきっかけはなんですか?
花屋で売られている花の30%〜50%の花が廃棄になると言われています。その花をどうにかできないかなと思ったのがきっかけです。廃棄になる花がこんなにも沢山ある事実を生花店で勤務していた時に目の当たりにしてすごくショックだったんですよ。自分の中でショッキングな出来事として残っていて、その花をどうにかできないか、と思って「花の命を大切にしたい」といった想いから廃棄される花や植物に再びドライフラワーという形で命を吹き込む活動を始めたのがきっかけです。
花屋ではちょっと茶色くなったり傷がついたものはすぐに廃棄してしまうのですが、業界ではそれが常識・当たりまえという風潮なんです。どうにかできないものかと知り合いに相談したところ、青山のファーマーズマーケットを紹介してもらいました。そこで出店している花屋さんでロスになった花を使って、ファーマーズマーケットにて個人でお店を出しています。その花屋さんとは大体並んで出店しているので、姉妹店のように仲良くさせていただいています。
元々花が好きでロスフラワーに携わりたいと思ったのでしょうか?
昔から花はずっと好きで、花を活けてお部屋を飾ったり生花の状態で買ったものをドライフラワーにしたりしていました。花が朽ちて枯れていく姿も、葉っぱがひらりと落ちる表情も美しくて愛おしいと感じていました。また、モノづくりが凄く好きで小学校の卒業文集ではデザイナーになるのが夢でした。その頃から、アートや美しいものが好きだったんだなと、今になって気がつきましたね。ドライフラワーの魅力としては一番きれいな状態でドライにし、ちょっと色がくすんだアンティークな色になった雰囲気に美しさを感じ惹かれました。経年変化を花で表現できる事に生花にはない枯れているからこその切なさに、美しさにすっかりはまってしましました。ロスフラワーもドライフラワーにすれば、もっと花が活躍できると思って3年前に初めてワークショップを行いました。
具体的にどうやってドライフラワーを作るのですか?
実はドライフラワーに向いている花と向いていない花があります。ドライフラワーを作る時期は一番乾燥している冬に逆さまに吊るして、エアコンなどで乾燥させて日の当たらない場所に置いておけば、2~3日でドライになります。夏や秋だとドライにはできますが1週間以上かかります。ドライにする場合、色を残したいのであればより短時間で乾燥させる方が色が残りやすいので、やるなら冬が一番ベストです。夏の花でもできなくはないのですが、時期的に湿気が凄く多いので密集させた花束を乾燥させようとするとカビが生えてしまうんです。なので、一本一本丁寧に乾燥させて、風通しのいいところに置いています。梅雨の場合は、シリカゲルを使って早く乾燥させています。
ウェディングに関しては、持って帰って貰える花もあるけれど、持って帰ってもらえなかった花は花屋さんが引き取ります。しかしそれを商品としてまた使う事はないので100%廃棄になります。ただ、ウェディングの花は一番きれいな状態で使っているので一番きれいなままドライフラワーにしたら全然使えるじゃないか、と思いそうした花を引き取ってドライフラワーを作っています。廃棄にする花が減るし、花も喜ぶだろうし、花が好きな人にも喜んでもらえるしいい事ばかりです。
お花をアレンジするスキルはどこかで学んだのですか?
クラウドファンディングでパリに一ヶ月弱留学して生花を学びに行きました。ヨーロッパ、特にパリは生花が中心の花文化の街です。ドライというよりは生花の花束の基本的な勉強だったり扱い方だったり、ひたすらレッスンして毎日くたくたでした。一番学びたかったのはパリの雰囲気や花の見せ方、色の使い方を肌で感じてきました。
週4で現地のフローリストにお花を学びに行っていたのですが、パリでワークショップを開催する事も目標としていました。飛び込みでカフェや本屋さんに営業をかけて、結果的に2回開催する事が出来ました。帰国するとその経験を生かして、ありがたいことに徐々に仕事が増えてきて、オフィスやカフェにお花を生ける仕事を沢山受注できるようになりました。
どうやって仕事の案件を見つけるのですか?
今はほとんど口コミがメインですね。クラウドファンディングのメニューの1つに会場装飾などのメニューを入れていたのですが、それを申し込まれたお客様から「継続的にお願いします」と言って下さってお仕事を受注しています。それを見た別のお客様からもまたお声がけを頂いたり。アパレル会社の代表の方からも「今度イベントがあるからディスプレイをお願いします」というように、口コミで広がっていき、お仕事を頂けるようになりました。マルシェや青山のファーマーズマーケットなどで出店していると新規のお客様が入ってくるので、そこは抜群の集客力ですね。そういうところに出店することで感度のいいお客様に沢山出会えたり、バイヤーさんもいらっしゃったりします。他には今年9月に合同展示ルームスエクスペリエンスに初出展しました。大学で学んだ服飾と花の技術を融合したロスフラワーの活用の場を広げたいと考え、アクセサリーやオブジェの他、クリノリンを土台に作ったドライフラワーのスカートを展示しました。たくさんの来場客に活動を知っていただける良い機会となりました。「アパレルに関わりたい」と言う想いが原点にあり、今そこに近づいてきたように感じています。
マルシェに来られるお客様は、どんなきっかけで来ているのでしょうか?
「ロスフラワー」というキーワードに興味を持っていただくことがきっかけの方が多いですね。そのキーワードを知って、「ロスフラワーって何ですか?」という風に興味を持っていただき、「廃棄の花の事ですよ。廃棄の花は実はこんなにあるんですよ」ということを伝えています。食品のロスについてはある程度定着していますが、花のロスについて扱っている人は私の知る限り競合はあまりいません。新しい概念から入って興味を持って頂くという感じで社会に物凄く貢献しているという気持ちで取り組んでいます。
ロスフラワーを広めていく上でのターゲット、届けたい人はいますか?
具体的にこの人というのはないのですが、一番届けたいと思う人は、お花を貰って癒される人です。花がある事でその人たちが豊かになる、そういう人たちの元へ届いたらいいなと思っています。普段お花を買うのに少しのハードルがあると思うんです。敷居が高いというか、特別な時じゃないと買わない風習が少なからず日本にはあります。そのハードルを壊したいです。そういう考えを持っている方こそ植物の癒しがあると、心にプラスの変化があるんじゃないかなって信じています。
また、私は今自分の好きなこととしてロスフラワーを減らす活動をしているのですが、自身が好きな事をずっと貫いているのには理由があります。それは、好きな事を仕事にしている人を増やしたい、という想いがあるからです。全然経験はないけど、自分のやりたい願望だったり勉強したい探求心を突き詰めていけばここまでお仕事として出来るし、生活も心も豊かになるんだ、という事を表現していきたいと思っています。そういう事を伝えていきたいので、好きな事を仕事にする事のやりがいや楽しさ、そしてそんな人をもっと増やしていきたいです。
春佳さんの今後の目標はなんでしょうか?
世界中に笑顔を増やしていくというところですね。目指すは世界平和。今後は、ロスフラワーを使ってサスティナブルな村を作りたいです。衣食住のそれぞれで循環型な生活がなりたっていてそこに花も加わる事。例えば花屋で言えば、廃棄寸前になる花を夕方ごろになると、価格をサービスして販売するサービスを地域で広めていきたいです。そうすれば、定価では買わないけど、少し弱っていても手に届きやすい値段だから購入する一定層に花を買ってもらいたいです。
最後に、今の活動について宣伝をお願いします
今はロスフラワーをなくすために活動をしています。この記事を見て下さってる方にお願いしたいのは、今日会う方、明日会う方でも構いませんので一輪の花をプレゼントしてあげてください。そうするとお花を買う文化が定着していくので、お花を貰った人も幸せな気分になるし、お花をあげた人もお花一輪300円ほどですごく幸せな気持ちになってそれ以上の価値があるので、ぜひともお花をプレゼントする習慣をぜひこの機会に意識していただけると嬉しいです。そして、お花が身近に感じられるようになったら次はお花のロスについても意識を向ける人が増えてくれると嬉しいです。お花を贈り合う文化やロスを減らす意識が浸透していけば、もっと購入しやすくなり一輪で幸せになる人が増える世の中にできると植物の力を信じています。
まとめ
日本ではまだ花といえば記念日やお祝いなど何か特別な日に送ると言ったイメージが根付いていますが、海外では日常茶飯事に花を買い、プレゼントをしたり花瓶に生けて食卓に飾るのが当たり前。こんな風に花が日本でも身近な存在になると、きっと食のロス問題のように花に対してもロスを減らす意識が生まれてくると思います。そのファーストステップとして、皆さんもまずはぜひ、身近な人へお花をプレゼントしてみてくださいね。
公式サイト:http://harukakawashima.com/
Instagram:https://www.instagram.com/haruka.kawashima/
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