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今回のインタビュー
皆さんはUberなどのライドシェアを利用したことはありますか?ユーザーもドライバーにとっても時間の有効活用や料金の軽減ができ、日本以外では浸透しているサービスの一つですよね。そんな中、今回インタビューしたのは通常のライドシェアのような乗る人とドライバーのマッチングではなく、乗る人同士のマッチングアプリを開発した株式会社NearMeさん。代表の髙原幸一郎さんにタクシーの相乗り事業「nearMe.」についてお話をお伺いしてきました。
御社のご紹介と今行っているサービスについて教えて下さい
株式会社NearMeという会社でして設立自体は2017年7月、今のサービスの本格始動は2018年から始めました。「瞬間マッチング」ということで瞬間的な地域のニーズをマッチングすることで地域活性化を図ることを目指しており、サービスとしては「nearMe.」というタクシーの相乗り事業を行っています。
nearMe.を提供しようと思ったきっかけはなんですか?
移動問題というのは、地域に住んでいる人とその地域を訪れた人にとって共通の課題だと我々は感じています。ドアtoドアの移動問題をなんとかしたいと思い、その解決策の入り口として相乗りサービスを行っています。
なぜ相乗りかと言いますと、例えば12時半を過ぎると渋谷はだいたいタクシー待ちの行列ができます。こうした状況の時、同じ方向に向かう人もいるだろうに乗って行く人は1人ずつで、非常に非効率なんですよね。
Uberやライドシェアのモデルは海外では当たり前のように利用されているのに日本になかなか浸透しない理由は、実は規制されているからです。そこで僕たちは、Uberのようなライドシェアとは違った形でタクシーを相乗りさせる事業を始めよう、というところで今サービスを行っています。
nearMe.はUberとは何が違うのですか?
Uberはドライバーと乗る人のマッチングですが、nearMe.は乗る人同士のマッチングなので、そこが大きな違いです。
もう少し言うと、ライドシェアは乗る人と自家用車を使ってドライバーのマッチングのことを指すのですが、nearMe.は乗る人同士のマッチングなので車を選ばずに来たタクシーに乗ることが基本のコンセプトです。そのため、最初からスケールしやすく、ドライバーを用意しなければいけない問題には陥りません。
nearMe.は具体的にはどのようなサービスですか?
簡単に説明すると、アプリの利用者が自分の目的地を入力することで同じ方向に行く人たち同士がマッチングされる仕組みです。お互いが相乗りに合意しないとメッセージのやり取りができないようになっているため、安心してご利用いただけます。ユーザー間のやり取りはアプリ内でクレジットカード決済できるようになっており、最後に降りる人が現金かクレジットカードでタクシーに支払います。タクシーのドライバーには途中で1人降りますとルートを事前に教えておくことで、それぞれが自分の目的地で降りることが可能になっています。
我々はビジネスモデルとしては、ユーザーが1人でタクシーに乗る時よりも安くなる時にしかマッチングしないようなアルゴリズムになっています。1人で乗るよりも10%以上安くなる時にしかマッチングしない仕組みです。
少なくとも10%以上安くなるということでしたが、どのようにその計算を行っているのですか?
1人で目的地まで真っ直ぐ行った時のタクシー料金の金額と、迂回して行った時のそれぞれのタクシー料金を時間と距離で計算しているんですよ。渋滞情報も見て、「マッチングしたら一人このくらいだね」という料金を試算して、その差が1人で乗った時と比較して10%以上安い時にしかマッチングさせません。10%未満ならそもそもマッチングしない仕組みになっています。例えば全く同じ場所だったら最大40%くらい安くなります。
誰もマッチングする人がいなかった場合はどうなるのですか?
誰もいない時は空振りしてしまうので、ニア美さんが出てくるんですよ。ニア美さんというのは我々の方で用意したバーチャルの同乗者です。要はニア美さんとバーチャルでの相乗り体験ができるということです。ニア美さんと相乗り体験すると、通常よりも20%お得に乗ることができます。ニア美さんに何かメッセージを送ると返信してくれます。こうやって相乗りを疑似体験しながらご利用いただくと、領収書をアップロードした際に20%お得になるシステムで、そのお得になった20%分を銀行口座に現金化することも可能ですし、次に相乗りする時に利用が可能になるよう現在開発中です。このニア美さんは実際の相乗り利用3回目までは20%お得に乗ることができます。
後編へ続く
前編ではnearMe.がどんなサービスなのか、その詳細やサービスを思いついたきっかけやnearMe.とUberの違いについてお聞きしました。後編ではnearMe.の機能についてや今後の目標をインタビューしてきました。
乗る人同士のマッチングアプリ「nearMe.」|後編
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